こんにちは。「カロアの自分手帳」管理人のカロアです。
今回は、私が転職活動で経験した「職種ミスマッチ」についてお話しします。
転職前に想像していた仕事と、入社後に実際に担当する仕事が違っていた。そんな経験を通じて、なぜミスマッチが起きるのか、どうすれば防げるのかを考えてみました。
特に、メーカーの技術職や、プロセス開発・生産技術などの仕事への転職を考えている方には、参考になる部分があるかもしれません。
1. プロセス開発の仕事だと思って転職した
転職で挑戦したかった「プロセス開発」
私が転職を考えた理由は、大きく2つありました。
1つ目は、勤務地を変えたかったこと。プライベートな事情もあり、関東近郊への移住を考えていました。
2つ目は、新しい仕事に挑戦したかったことです。当時の仕事に大きな不満はありませんでしたが、大きな仕事を終えて一段落していた時期でもありました。
そこで、以前から興味があった「プロセス開発」に挑戦してみようと考えました。
プロセス開発とは、簡単にいうと、実験室で少量つくっているものを工場で大量生産するにはどうすればよいか、といったことを検討する仕事です。
こうした検討には「工業化研究」と呼ばれる領域もあり、実験室から工場へ生産規模を拡大する取り組みを「スケールアップ」と呼びます。
以前から携わりたいと思っていたものの、なかなかチャンスに恵まれず、経験できずにいました。転職を機に、今度こそ挑戦しようと考えました。
ところが、未経験だったこともあってか、応募してもなかなか書類選考を通過できません。もともと求人自体が限られる分野でもあり、仕事探しは難航しました。
そんな中、あるメーカーの技術職の求人を見つけました。
今となっては当時の求人票を確認できないため、あくまで当時の印象ですが、「自分がやりたいプロセス開発に近い仕事ではないか」と感じたのです。勤務地も希望に合っていたため、すぐに応募しました。
選考は順調に進み、無事に内定を獲得。最終面接後に届いた採用条件通知書を確認すると、職種欄には「研究開発職」と記載されていました。
「これはもう開発! 開発で確定! プロセス開発だ!」
そう確信した私は、内心ガッツポーズ。深く確認することなく、内定を承諾しました。
入社までの期間には、大学時代の教科書を読み返したり、スケールアップに関する本を購入して勉強したりしていました。
これからは、ずっと取り組みたかったスケールアップの検討に携われる。
このときの私は、新天地でそんな仕事ができることを疑ってもいませんでした……。
2. 入社して気づいた「何か違う……」
期待に胸を膨らませて迎えた入社初日。
業務の説明を受けるものの、何か違和感があります。研究開発に近い仕事をイメージしていたのに、実験業務の話が出てきません。実験設備はあるのに……。
思い切って職場の人に聞いてみると、このチームでは実験業務をほとんど行わないと説明されました。
ん??? え、そうなの? 😂
まあ、実験をしないプロセス開発担当もいるのかな……。
そう思っていたのですが、周囲の仕事を見ているうちに、少しずつ実態が見えてきました。
同じチームの人は、製造部門への運転指示書を作成しています。計器室から電話が入ると、現場対応に急いで向かっていました。
そこで、ようやく気づきました。
「あれ? これ、研究開発というより、生産技術や製造技術に近い仕事なのでは……?」
頭の中は混乱と不安でいっぱいでした。笑
というのも、私は前職でも、化学プラントの操業管理に近い仕事を経験していたからです。
当時は日々のトラブル対応に追われ、深夜まで対応したり、休日や夜間に連絡を受けたりすることもよくありました。そうした苦労もあり、今後はもっと上流の技術的な仕事に挑戦したいと考えていました。
ところが、転職先でも、以前に経験した仕事と似た要素が見えてきました。
「もしや、自分が避けたかった仕事に勢いよく飛び込んでしまったのでは……?」
せっかく転職して新しい仕事に挑戦できると思っていたのに、また以前の職場で苦労したような業務に戻ってしまうのか。そんな思いが頭をよぎり、ショックを受けました。
さらに入社後しばらくして、現場の運転業務を補助するよう指示されました。
これも、当初イメージしていた仕事とは違うものでした。
当時は「聞いていた話と違う」「内定通知書には研究開発職と書いてあったのに!」という気持ちが強く、会社に騙されたのではないか、とさえ感じていました。
しかし、後になって、少し違う見方をするようになっていきます。
3. 職種ミスマッチの正体は「アンジャッシュのすれ違いコント」だった?
入社後に気づいた、想定していた仕事とのギャップ。
なぜ、こんなミスマッチが起きてしまったのでしょうか?
もちろん、私自身にも反省すべき点はあります。仕事内容を具体的に確認しきれていなかったことは、間違いなく確認不足であり、私のミスでした。
しかし、確認不足だけがミスマッチの原因だったのでしょうか。
改めて振り返ってみると、そもそも私と会社とでは、同じ職種や仕事の言葉からイメージするものが違っていたのではないか、と思うようになりました。
私がイメージしていた「プロセス担当」は、実験やスケールアップなど、研究開発に近い仕事でした。
一方、実際に担当することになったのは、プロセス設計の仕事もあるものの、製造現場への運転指示やトラブル対応など、生産技術・製造技術の要素も強い仕事でした。
つまり、私が「プロセス担当」と聞いて想像していた仕事と、会社側が想定していた仕事には、ズレがあったのではないか。
会社が意図的に嘘をついたというより、お互いが同じ言葉を使いながら、違う仕事を思い浮かべていた。そんな可能性に気づきました。
……これ、何かに似ていませんか?
そう、お笑いコンビ・アンジャッシュさんの「すれ違いコント」です。笑 😂
アンジャッシュさんのコントでは、登場人物同士が同じ言葉で会話しているのに、それぞれが別の状況を想像しているため、会話がどんどんすれ違っていきます。
今回の私の転職も、構造としてはこれに近かったのではないでしょうか。
私と会社のすれ違いコント(イメージ)
※実際の面接での会話を再現したものではなく、双方の認識のズレを表現した寸劇です。
私: プロセス担当の仕事がしたいです!(開発の仕事がしたい)
会社: プロセス担当ですね!(プロセス設計に加えて、製造現場に近い業務も担う仕事をイメージ)
私: 反応条件の検討や、スケールアップにも携われるんですか?
会社: プロセスシミュレーションなどを使った検討もありますよ。
私:(実験室で反応条件を検討して、工場へスケールアップしていく仕事だ!)
会社:(プロセス設計や、製造現場を支える技術業務も含む仕事だ!)
私: プロセスシミュレーションを使って、最適なプロセスを検討するんですね!
会社: そうですね。プロセスの検討も重要な仕事です。
私:(やっぱり、開発・技術検討が中心なんだ!)
会社:(プロセスの検討だけでなく、製造現場を直接支える仕事もあるんだけどな……)
そして、入社後――
私: あれ? 思っていた仕事と違う……。
会社: あれ? 思っていたのと違う……?
こうして、見事にすれ違ってしまったわけです。笑
私自身は「プロセス担当」という言葉から、プロセス開発やスケールアップを中心とした仕事を想像していました。
一方、会社側は、プロセス設計に加えて、製造現場に近い業務も担う技術者を想定していたのではないかと思います。
同じ言葉を使っていても、頭の中にあった仕事のイメージは一致していなかったのです。
今となっては笑い話のように振り返ることもできますが、当時はなかなか笑えませんでした。笑
こうして考えると、今回のミスマッチの原因は、単に会社の説明が悪かった、あるいは私の確認不足だった、という一言では片づけられないのかもしれません。
同じ職種名、同じ言葉を使っていても、具体的な仕事内容まで共有できているとは限らない。
これが、私が今回の転職経験から得た大きな気づきです。
4. なぜ技術職の転職ではミスマッチが起きるのか
4-1. 同じ職種名でも、会社によって仕事内容は違う
同じ名前の仕事、たとえば「プロセス担当」でも、プロセス開発(研究開発)寄りの仕事から、製造現場に近い技術業務まで、担当範囲はさまざまです。
同様に「生産技術」も、設備導入・工程改善・製造現場の管理など、会社によって役割が異なります。
「研究開発職」と書かれていても、実験中心なのか、シミュレーション中心なのか、製造現場への対応もあるのかは、職種名だけではわかりません。
職種名は仕事内容を理解するための手がかりにはなりますが、それだけで実際の業務を判断するのは難しいのです。
4-2. 求職者と企業で、仕事内容のイメージが異なる
今回の私の経験を振り返り、原因を整理してみます。
求職者は、職種名から仕事内容をイメージします。
企業側も、自社の組織や業務分担を前提に仕事内容を説明します。
しかし、双方が具体的な業務内容まで確認・共有できているとは限りません。
最初から双方の認識を完全に一致させるのは、なかなか難しいのではないかと感じます。
また、求職者側も、自分の経験や希望を基準に、仕事内容を都合よく解釈してしまうことがあります。
私自身も、「プロセス担当」という言葉や、プロセスシミュレーションを使う仕事だという情報、内定通知書の記載から、現職は自分のやりたい仕事に近いと考えてしまいました。
本来であれば、もっと具体的な業務内容を確認し、企業側と認識をすり合わせるべきだったと思います。
4-3. 技術職だからこそ、業務範囲の確認が重要
特に技術職では、同じような専門知識を使う仕事でも、担当範囲が違えば日々の働き方も大きく変わります。
例えば、設計・計算・技術検討が中心なのか、製造現場への指示やトラブル対応まで担うのかによって、仕事の進め方や求められる役割は大きく異なります。
では、こうしたミスマッチを防ぐには、何を確認すればよいのでしょうか?
5. 転職では、職種名ではなく具体的な業務を確認する
5-1. 「職種名」ではなく「実際に何をするか」を聞く
まず、求人票や採用条件通知書に記載された職種名だけで判断しないことが重要です。
例えば、面接では次のような質問をするとよいでしょう。
- 「このポジションでは、具体的にどのような業務を担当しますか?」
- 「入社後、最初に担当する業務は何でしょうか?」
- 「プロセス設計や技術検討と、製造現場への対応は、それぞれどの程度ありますか?」
ポイントは、抽象的な職種名だけで判断せず、実際の仕事を具体的にイメージできるまで確認することです。
5-2. 業務の割合や、突発対応の有無も確認する
業務内容がわかっても、それぞれの比重がわからなければ、働き方までは見えてきません。
例えば、次のような点を確認しておくとよいでしょう。
- デスクワーク・設計・計算と、現場対応の割合
- 定常業務と、トラブルなどの突発対応の割合
- 夜間・休日の呼び出しや対応の有無
- 他部署との役割分担
「現場対応もあります」と言われた場合でも、それが月に数回なのか、日常的に発生するのかでは大きく違います。
可能であれば、それぞれの業務が全体の何割程度を占めるのかまで聞いておくと、入社後の働き方をイメージしやすくなります。
なお、必ずしも正確な割合を回答してもらえるとは限りません。その場合でも、どの業務が主で、どの業務が付随的なものなのかを確認するだけで、理解を深められます。
5-3. 入社後の働き方を、できるだけ具体的に想像する
さらに踏み込んで、入社後に実際に担当する仕事や、過去の具体的な業務事例を確認します。
例えば、次のような質問です。
- 「入社後3か月で、どのような業務を担当することになりますか?」
- 「このポジションの方が、最近担当したプロジェクトの例を教えていただけますか?」
- 「製造設備でトラブルが起きた場合、このポジションはどこまで対応するのでしょうか?」
入社後の業務がまだ具体的に決まっていない場合もあるでしょう。その場合は、現時点での想定を聞いておくだけでも参考になります。
すべてを正確に把握することは難しくても、具体例を聞くことで、入社後のイメージをすり合わせやすくなります。
5-4. それでもミスマッチを完全には防げない
ただし、どれだけ確認しても、入社後に初めてわかることもあります。組織体制や担当業務が変わる可能性もあります。
だからこそ、企業の説明を聞くだけでなく、自分が何をしたいのか、何を避けたいのかを整理し、譲れない条件を明確にしておくことも重要です。
まとめ:職種名だけで判断せず、具体的な仕事内容を確認しよう
今回の経験から得られた教訓は、職種名から仕事内容を想像するのではなく、具体的な業務を確認し、お互いのイメージをすり合わせることです。
今回の経験を通じて、職種名や求人票の表現だけで仕事内容を判断する難しさを実感しました。
思い描いていた仕事とは違いましたが、この経験も今後のキャリアを考えるうえでの材料にはなるはずです。
次にもし転職する機会があれば、今回の反省を生かし、仕事内容や求められる役割をより具体的に確認したいと思います。
この記事が、転職を考えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

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